健康クリニック | ||||||||||||||||||||||
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女性の骨量は初潮のころから急速に増え始め、二十歳ごろでピークを迎える。四十歳ごろまでは最大骨量を維持するが、その後徐々に下降碑をたどり閉経後、急速に減っていく。しかし若いうちにカルシウムをコツコツと骨に蓄え、最大骨量を増やしておけば、更年期以降に骨量が目減りしても、骨粗しょう症になる危険域に入ることは少ない。そのために欠かせないのがカルシウムの摂取だ。
その代表格がカルシウムの運び屋といわれるビタミンDだ。肝臓や腎臓(じんぞう)を経て活性型ビタミンDに変わり、腸でのカルシウムの吸収率を高める。骨の新陳代謝の過程で、骨の破壊と再生がスムーズに行われるよう調整する働きもある。ビタミンDを多く含む食品にはキクラゲなどのきのこ類、アンコウ肝、サケ、ウナギ、サバなどの魚類などがあり、塩サケ1/10切れ、ウナギ1/3串で、最低所要量を満たすことができる。しかしこれは十分日光に当たっている場合である。ビタミンDには食品から取り込まれるもの以外に、紫外線によって体内で作られるものもおるからだ。夏の晴れた日なら5分程度、冬でも30分ほど日光を浴びたい。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、豆腐などの大豆製品、小魚、青菜、海藻類などのカルシウムを多く含む食品を積極的に取ることが望ましい。厚生省が定めている国民栄養所要量では、カルシウムの摂取量を一日600mgとしているが、若い女性の揚合、これはギリギリの量。骨量を最も効果的に増やせる成長期には、さらに多くのカルシウムを取っておきたい。この"貯金"が後でものをいうからだ。一番危険なのは、食べる量を極端に減らす過激なダイエット。「カルシウムが不足すると、若くても骨粗しょう症になることがある。また、肝心な時期に骨量を十分増やせないため、年を取ってから骨粗しょう症になりやすい」という。 40代以降になると骨量は減る一方だが、減少した分を補い、骨量維持するため、やはり十分なカルシウムの補給が必要だ。65歳以上の高齢者はもっと深刻。カルシウムは吸収率が悪く、摂取した量の70〜80%は体外へ排泄される。高齢者の場合は内臓の機能が衰えているため、吸収率がさらに低い。若い人と同じ一日600mgではとても足りず、850〜1500mgは必要と見られている。 カルシウムの吸収を助けるビタミンDと日光浴 骨量を増やしたり、維持するためにはカルシウムの摂取が欠かせないが、それだけでは不十分。「カルシウムは吸収されにくい栄養素で、吸収を助ける食品を一緒に取らないと、せっかく取ったカルシウムの多くが体外に排泄されてしまう」からだ。 |