有効求人倍率とは本当に有効な数字なのだろうか
有効求人倍率とはハローワークに出された「企業からの求人数」を「求職者の数」で割ったものだそうです。「ハローワークを通さない求人は含まれていないから無効だと言いたいのだろう」と おっしゃるかもしれませんが僕が言いたいのは そうじゃないんです。
現在、有効求人倍率は改善しつつあるそうです
「求職者に対する求人の数が増えているから経済は好転しつつある」というのが政府やメディアの見解の様です。
しかし、です。求人数とは単純に企業から出された求人を合計したものに過ぎないのです。(僕はそう理解しました。間違っていたらゴメンナサイ。)
何が言いたいのかというと、求人の内容は触れられていないのです。生活していくだけに十分な給料を貰える求人も最低給与ギリギリの求人も1件は1件です。
当たり前だ!最初から高い給料が貰えると思っているのか!?
と 言われそうですが、実際には長らく働いても時給など一銭も上がらない職場など沢山あるのです。いえ、そんな職場の方が多いのかもしれません。「『正社員になれる』と就職しても、いざ 正社員になっても何も待遇は変わらなかった」なんてこともあります。(実際、僕もそうでした)
ハッキリ言って現在の最低給料に関する法律は片手落ちです。1日、2、3時間の学生アルバイトも1日8時間で10年以上働いても同じ扱いです。昇給に関する規定はありません。
十分な給料が得られていない労働者を増やしたところで経済は好転しません
人は食べるために働くのです。食べていくのに最低必要な給料すら貰えない求人が増えたところで就職先が増えたとは言えないのです。 (関連
「人手不足」と「求人不足」が同時に起こる国ってなんなんでしょうね)
政府は国民に贅沢品を買わせようとしています。日本の経済の中心になっているのは贅沢品です。贅沢品が多く買われることで経済を好転させようとしています。自動車、家電、その他……。
(注 「自動車、家電など もはや贅沢品ではない」と 言われるかもしれませんが、メーカーが売りたいのは利益率の大きい贅沢品です。それに普及品は外国製の部品が多く使われていたり、製品そのものが外国製で経済に寄与する率は低いと思います。)
ところが、人はまず生活に必要なところからお金を使います。その上でしか贅沢品は買いません。特別ではなくても真面目に働いた普通の人が十分な給料を貰えなければ贅沢品は買われません。「
消費者は労働者で、労働者は消費者です」。経済を好転させたければ まず、真面目に働いた普通の人の待遇を改善しましょう。
「有効求人倍率が改善しつつあるから経済は好転しつつある」と言う政府の見解は、「求人内容を調べもしない」と言う手抜きをした上での統計が 「経済が好転してほしい」と言う希望に合致して安心感が得られてしまうからでしょう。そして、そう言ったとしても誰からも反論されないと言うこともまた、安心感を後押しするのでしょう。
経済規模が縮小しつつある現在、いくら大企業が好調だと言ってもそれは単に下請け企業に値下げを要求して現実しただけの事。最終的には立場の弱い人たちが安い給料で働かざるを得なくなっています。
雇用の状況が健全であれば有効であった“有効求人倍率”も生活するためには十分ではない求人が
多く含まれている現在、果たして
雇用状況、経済状況を示す有効な数字であると言えるでしょうか?
2017/08/01
2017/08/19 一部修正