作り方組合 森を守る!「吉野のわりばし」
わりばしについて 間伐材とは 森を育てる お箸のお話 わりばしの歴史
端材から作ります
資材を有効活用します
天然の恵みを活かしています
削りくずも有効利用
わりばしのリサイクル
タイトル
素材写真よく質問を受けますが、「一本の原木(丸太)から何本の『わりばし』が作れるのですか?」と。
 『吉野わりばし』は、一本の原木を、すべてわりばしに加工しているのではありません。
  吉野地方の山林で伐採された間伐材は、地元の製材所で柱などの建築 材等に製材されます。
               <わりばしの材料(木皮)>
 この時、「木皮(こわ)」と称する残った端材(はざい)が出来ます。『吉野わりばし』はこの材料を使い加工して製造します。
  原木(丸太)は、製材所で、中心部分を家の柱や下地材・内装材などに使うための建築材として、四方を切り取り、目的に応じた製品に製材されます。
そして切り取られて残った部分(木皮)がわりばしの材料として使われます。また、この部分はすべてわりばしになるわけではなく、木工製品の材料としても利用されています。
 それでも残った部分は紙の原料のチップや燃料などに活用されています。
 ですから、一本の原木(丸太)から、わりばしに加工される部分は、ごく一部ということになります。

            <製材される原木>




タイトル
素材写真『吉野わりばし』は、明治のはじめ、吉野杉材で作る酒樽の材料の端材が捨てられるのを惜しんで考案されたわりばしです。
 今では、吉野の杉・桧の大半は建築材などに利用され、『吉野わりばし』の材料が、酒樽材料の端材から、吉野材の間伐材の端材に変わって作られています。
自然を大切にし、資源の有効利用の精神は現在も先人から、受け継がれています。
 私たちは、植林された杉や桧を、建築製品等に製材した後、残った外側の利用度の少ない部分(端材)だけを利用して、一膳一膳丁寧に加工して製造しています。
つまり、『吉野わりばし』に使われる端材は、『わりばし』として利用する事が、価値ある木材利用ではないでしょうか。
 一部で森林の敵と思われている『わりばし』ですが、『吉野わりばし』は、国内資源の有効利用の一つと確信しています。 
素材写真
「わりばし」を二本に割る行為は、これから食事を始める事を意味し、日常生活の流れに精神的なけじめをつける有効な方法とされています。
『吉野わりばし』は、有効な資源活用の上、機能と便利さ衛生的であるために、一回で使い捨てる様になっています。
 吉野地方では、あくまでも森林の恵みを余すことなく活用し、森林の保護育成を図り、清らかな水と緑、澄んだ空気を生み出す自然を守っていくことを考え、先人の知恵である『吉野わりばし』作りの灯をいつまでも絶えすこと無く、大切に守り続けています。
タイトル
 『吉野わりばし』は杉や桧の素材を天然のまま使用しているので、純粋無垢で自然の色を出しています。『吉野わりばし』には、赤い部分と白い部分が混ざった箸があります。
原木を製材した際、木皮に芯の部分(赤身)が含んでいるのです。これが本来の材料の色なのです。
 杉や桧の山林は、すがすがしい香りが疲れたからだにやすらぎを与え、活力をもたらせてくれます。葉をちぎった時に漂う香りは、樹木の葉や木材部から発散される揮発性の化学物質で、この芳香のことをフィトンチッドともいいます
フィトンチッドには、消臭作用・防ダニ作用・殺虫作用・抗カビ・抗菌作用があると言われ、健康な杉や桧自体には、このフィトンチッドを含んでいます。
 将来利用研究が進めば、杉・桧の天然のフィトンチッドの物質を利用して薬を作ることも決して不可能ではないでしょう。
『吉野わりばし』は、この杉や桧の端材を材料として利用しています。
タイトル
私達はわりばしを製造する過程で、「木毛くず」「木綿くず」「おがくず」の他、「切れ端(木の端)」等の木くずが出来ますが、決して無駄にはしていません。
 「木毛くず」はスレート屋根の断熱材としての木毛セメント板、「木綿くず」は植生マットや室内装用の壁紙の原材料として、有効に活用していただいています。
 「おがくず」や「切れ端(木の端)」はお風呂の芳香剤や、各わりばし工場で、箸加工時の煮沸や乾燥の燃料として、余すところ無く利用しています。
 この削りくずの他の利用方法やご意見等をお気付きの際は吉野製箸工業協同組合宛、御一報を賜りたくお待ちしております。

<わりばしの製造中に出来る、木毛くず>       <木毛くずを利用した木毛セメント板>

<わりばしの製造中に出来る、木綿くず>       <木綿くずを利用した植生マット>
タイトル
食事に使われた後のわりばしをゴミとして捨てずに回収して、製紙会社で紙に再生される運動が広がっています。
この運動は王子製紙(株)米子工場で始められました。
現在全国の9工場で、送られてきた「使用済のわりばし」が紙の原料として再利用されているそうです。使用済みわりばし3膳(6本)でハガキ1枚分の紙が作れるそうです。工場の材料全体に占める割合としてはまだ微々たるものらしいですが、自分たちの身近なところから「ゴミの減量=環境問題」を考えると言うことからも、送られてくるわりばしの量は年々増加しているそうです。
私たちも、「自分たちの生産したわりばし」がそのまま捨てられずに、「紙」に生まれ変わり旅を続けることができ、大変うれしく思っています。
わりばしリサイクルについて詳しくは、(王子製紙米子工場HP)をご覧下さい。