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セアカ写真 <毒グモ日本に上陸!> スパイダー
ゴケグモ属 血清と処置 オーストラリア事情
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オーストラリアのセアカゴケグモ事情−文献による−


1)セアカゴケグモの生態
(1) 概 要
  セアカゴケグモは攻撃的ではなく、妨害されたり邪魔をされたときには、通常、地面に落ち丸くなって死んだふりをする。卵を護っている時に邪魔をされたり、追い詰められたりすると、メスのセアカゴケグモは、小さいけれども効果のあるきょう角で咬みつく。交尾の後、クモは8個の球形の卵嚢を紡ぐ。このうちのあるものは、300個ほどの卵を持っていることがある。天候がよければ、クモの子は、約2週間後に卵からふ化し、成熟するまでに数回脱皮をする。多くのクモと同じように、子供は共食いし、2、3匹だけが成熟する。 成熟したメスは、ふつうは、家の下の静かな暗い所や、ガレージの裏や、産業からの屑類、そして、めったにないが田舎の便所に、雑然としてみえる巣を作る。 巣は、3つの別々の部分、わな、わな糸そして隠れ家から成る。わな(スネア)は、巣の中央のもつれあったかたまり(mass)で、そこから、非常に粘着力の強いな「わな」糸が放射状に延びている。これらの「わな」に飛び込んでくる昆虫はどれも、この」が中央のスネアの部分へ急速に収縮して、逃げるのを難しくすることに気がつく。巣の第3の部分は筒状の隠れ家で、一般に、何らかのふさわしい裂け目へと延びている。日中は、クモは、いつも、この隠れ家で「めい想」しているが、巣の上に伝わってくる「引き」により、誘いだされるようにみえる。メスのクモを正しく確認するのは、時には、縞がだいだい色であったり、ピンク色であったり、うすい明るい灰色であったりするが、ほとんどのところ難しくはない。
(2) 卵
  セアカゴケグモの卵嚢の中に一緒に包まれていて、嚢は、殺虫剤に完全に耐性のあるしっかりと結合した頑丈な幾層もの絹様の糸からできている。卵嚢は、小さく、球状で、淡黄褐色で巣の嚢に近いところにぶらさがっている。セアカゴケグモは、通常、各嚢に40〜300の卵を産みつけ一度に3つから5つの嚢を作る。一匹のクモは、一生に数回卵を産むことがあり、再び卵を産むためには、1週間から3週間の経過が必要なだけである。成熟したメスのセアカゴケグモは、卵がふ化するまで卵とともに過ごす。このふ化は、通常、空気が冷たく湿っている雨の降りはじめにおこる。 幼虫のセアカゴケグモは、約14日後にでてくるが、その時、天気がよければ、子クモは散らばっていく。条件が良くなく、また食物も乏しい場合には、メスのクモと子クモは共食いをする。
(3) ライフスタイル
  セアカゴケグモを、地域でコントロールしたり、根絶したりするのが困難な理由は、強靭な生き物であり、多産で、隠れた箇所に棲み、簡単に散らばってしまうことによる。メスは、オスの精子を貯蔵しておくことができ、2年間にわたってそれを用い、数回(バッチ)卵を生む。従って、オスを除去してしまったとかオスがいないからといって、メスが子クモをつくらないという保証はない。 <Black Widow Spider> メスの Black Widow Spider は、25〜30日ごとに卵を産む。1回に9〜10の卵嚢から成り、ー匹のメスは、5000個にのぼる卵を産む場合がある。卵は、産みつけられてから、13〜15日でふ化する(多くの場合、雨が降り始める頃である)。メスは60から325日、平均では、約4箇月で成熟する。小さいオスは37〜167日、平均で約90日かけて成熟する。メスは2〜3年の間生き、オスは6〜7箇月生きる。食物なしでは、クモは、平均して約100日は生存し、一番早く死んだのは36日、最も長く生きたのは7箇月であった。
(4) 幼グモの分散
  セアカゴケグモの幼グモは、多くのクモと同様、母の巣から風で運ばれる(*)。 それぞれのクモは、そのお腹を空中高く持ち上げて、紡糸口(spinneret) の上に絹様の小さな一滴を作る。風は、液状の絹様の糸を引き出して、長い糸にし、それが、最終的には、クモを運び去るに十分な程揚力を持つようになる。絹様の糸は、最終的には物体にへばりつく。そこが、クモの子がその巣を定める場所である。 (※)バルーニングと呼ばれるこの現象は、セアカゴケグモではまだ確認されていない。
(5) クモの巣をつくる場所
  セアカゴケグモは、巣を作る場所の選択には全く選り好みをせず、適度な量の食物を確保できる場所であれは殆ど何処でも巣を作る。どちらかといえば、巣の外側がいくらか日光にあたり、内側が冷たく暗い場所に引きこめるような所を好む。また、使用中の自動車やバイクの上や内部で見つかる。その場所としては、オートバイのハンドルのバーのところや、シートベルトの上、車のバンパーのバーの背後が報告されている。
(6) クモの巣
  セアカゴケグモの巣は、非常に細いが強い絹様の糸が不規則にからみあったものである。巣の嚢の部分は、ロート状(ある一定の角度からは見える)となり、そこでは、絹様のより糸がさらに密に結び合わされておりクモと卵嚢が、ここで見つかる。 上方の巣は、円錐形で、密に紡がれた絹様の糸から成る。ここで、クモは休み卵嚢が作られる。巣から、長い真直ぐな糸が、地面の直ぐ上まで延びている。ここで、ドームの形をした不規則なからみあいが、餌を捕える糸であり、垂直の非常に粘着な糸を含む。昆虫、とかげ、蛇や他のクモがこれらの糸に突きあたり、この糸は容易に切れ、他の糸が餌食に粘着して持ちち上げる。餌食が触れると長い糸を経てクモに伝わり、クモは降りてきて、餌食を殺し、糸で包んで巻き上に運ぶ。 多くのクモの巣と異なり、セアカゴケグモの巣は、葉、棒、土の粒子や昆虫の屍等の屑や残骸があっても平気で管理できる。他のクモは、これらがクモの巣の感度を落とすと考えられるので、クモの巣から、早く取り除いてしまう。従って、セアカゴケグモの巣を最も容易に観察できる印とは、目で見たところ、明らかに、空間に葉や他の物体が吊下がっていることである。 (7) 食べ物 昆虫がセアカゴケグモの通常の餌であるが、このクモは、とかげや蛙のようなもっと大きい動物を殺したり、消化することができる。餌食がクモの巣の中にかかると、このクモは、降りてきてそれをかむ。そして、ちょっとの間、退却して、毒が効いてくるのを待つ。 そこで、クモは、犠牲となった餌に近づき、それを絹様の糸で包んで巻き、クモの隠れ家へ持ち上げる。
蜘蛛の巣
2)オーストラリアでの生息環境
(1) 屋根の裏の空間(cavity)
 ここに接近(アクセス)することが非常にむずかしいので、ビルの場合に主要な問題となる。クモは、屋根そのものの下(通常、人間が近づき難く、まして計画をたてて処理するのが難しい端の方)の近くに巣をつくる。このような状況では、クモは昆虫の最も豊富な場所を探りまわれることになる。これらは、屋根の端で光が昆虫を隙間へと誘い込むところならどこでもよい。
(2) 内部に設置された照明、隙間等
  これらは、外側から、屋根の隙間を経て、熱い明るい照明(夜間)にひきつけられた昆虫を多量に供給する。昆虫は、照明に向かって飛んできてクモが照明の上に作るクモの巣にかかる。このように、クモは、継続して豊富な餌にありつける。子グモは、ふ化し、天井の隙間を通って落下して、家の中で居を定める。この問題へのただ一つの解決策は、合成ピレスロイドの粉末をまくことである。明らかに粉末は、それに接触した昆虫やクモを殺す。セアカゴケグモの卵は、ふつう、絹様の末糸の逆さになったコップ状の中で高い場所に隠されているので、殆どの場合、粉末の殺虫剤がかかることはない。したがって、これらの卵は、3週間以内に(最良と思われるのは雨の直後)、まさに、ふ化しそうな時に再び処理をしなけれはならない。クモのように移動することができる動物への殺虫剤噴霧は、どんな場合でも(これらは、風で漂流する)効果をあげるためには、かなり頻繁に処理を練り返す必要があり、このことは非常に処理費用が高額につく。
(3) フェンス
  チェーンワイヤーのフェンスは、セアカゴケグモがはびこり続け、特に問題である。フェンスの接合部分には、メスのクモがパイプの中の耐水性の隠れ家からそこを通して餌をとる隙間ができる。この隠れ家は、またパイプの中で、巣がもっと増殖してくるにつれ、殺虫剤の影響や寄生蜂の攻撃から殆ど完全に身を守る手段を提供することになる。
  解決策 パイプの中に家庭用漂白剤を噴霧して、隙間をふさいで密封する。
(4) バーベキュー
  バーベキュー道具の典型的な置き場所は、日当りのよいところである。携帯用のバーベキューセットは、小さな隠れ場所が迷路のようになっていいて、そこではクモが巣をつくり、地面との間に吊下がっているクモの巣をつくることができる。 解決策使用前に道具を調べる。小さな隙間ギャップでもふさぐことができるところはふさがなければならない。使用する材料物質が引火性でないよう、注意しなければならない。家庭用のアルミホイルを役に立てることができる。樋に使われる雨押え、水切りもまた有用である場合がある。
(5) 変圧器ユニット、車等
  長期間、静止したままであったり、顧みられなかった金属の物体は、セアカゴケグモのまず第一のターゲットである。セアカゴケグモは、素早くこれらのユニットの下のスペースに巣を作る。捨てられたり、長い間使われていない車もまた、せっせと繰り返し、クモが巣を造るだけの価値がある。クモは、バンパーのバーの後ろであるとか、泥除けの下、ドアの下、エンジン部分の中に巣を作る。クモはまた、車の中に入り込みシートベルトの上やシートの下で見つかったことが報告されている。 解決策ここでの唯一の有効な解決策は、絶えず、駆除し続けることである。クモの巣は、午後遅く、打ち落としてしまわなければならない。その夜戻ってきたクモは巣を再び作り直さなければならず、巣網は荒く見つけやすい。クモをつぶし、残っている巣は打ち落とさなければならない。クモのいた所には、洗剤または家庭用漂白剤を噴霧しておくこと。
(6) 樋、屋根、太陽熱利用ヒーター(温熱器)
  金属の樋は日中熱せられる。葉っぱが樋の中にたまり、湿気を保ち、昆虫を引き寄せることになる。樋と家と屋根の間のギャップは、雨の間、クモに隠れ家を提供する。もう少し、乾燥している時は、クモは、樋の中で広範囲に広がる巣を作る。樋または、葉っぱよけは、セアカゴケグモにとってもっとよく保護される空間を提供するが、ギャップ隙間が狭いので成虫のクモは中で行動が束縛される。十分に動きがとれない。それにもかかわらず、オスは、十分小さくて疑いなく隙間を通りぬけることができ、葉っぱよけの下にセアカゴケグモの小字宙をつくり始める。もちろん、卵がかえった時、子供のクモは隙間から、随分楽に抜け出してその家や周囲にはびこる。太陽熱利用温熱器は、セアカゴケグモに熱と隠れ家の両方を提供し、その集団の貯蔵所(reservoir) のようになることができる。屋根は、人間が効果的に行動するには小さすぎる屋根の端近くにスペースを提供する。屋根のような閉じ込められた凹部でクモを捕えるのは、低いところにあるクモの糸が切れて、屋根の高いところに居たクモが場所を追われ、人に落ちかかってきて咬まれることがあり、潜在的に危険である。 解決策これらの全域には、殺虫剤の噴務が唯一の効果的な処理である。しかし、これは、その時、生きているクモに効果があるだけである。卵嚢は、殺虫剤には影響を受けないし、卵は、4〜6週間でふ化する。したがって、屋根を再び殺虫剤で噴霧して処理するのは、最初の噴霧から6週間以内に行なわなければならない。
(7) 鉄格子
  家、テニスコートの周り、車庫の前や車道を横切る排水鉄格子は、クモが広範囲に巣を作り、長期間にわたって注意を逃れる隠れ場所を提供する。 解決策弱い家庭用の漂白剤で鉄格子を噴霧し、そのまま1時間放置する。強力なホースを使用すること。鉄格子を取り外すことなしに、鉄格子に噴射する。手袋をし、棒切れを取り、注意深く鉄格子を上げる。棒切れで巣とクモを持ち上げ、メチルアルコールの瓶に入れる。
(8) 郵便箱
  郵便箱やマガジンラックは、セアカゴケグモが非常に喜ぶ隠れ家と日光を提供する。これらは、また、Daddy Long Legs spider や Huntsman spider に隠れ家を提供することがある。 解決策箱の中のクモを棒で取り出す。その棒は、円を描くように波型に曲げると(細い杖の様に)、セアカゴケグモをその隠れ家の中で葬り去るはずのものである。見つかった卵嚢はどれもつぶすこと。棒、巣とそれにくっついているクモを、クモが手の近くに来ないように注意しながらメチルアルコールに落とす。
(9) 砂場と玩具
  伝統的に、家や公園の砂場は、日なたに作られるので、玩具(特に、大きな金属製のトラックなど)のような砂場に残された物体は熱くなり、セアカゴケグモが隠れれる小さなスペースを与え、そこから、クモは素早く乗り出し、玩具を拾い上げよ うとする、まだ知恵のつかない幼児の手を咬む。 解決策子供達をそこに残しておく前に、玩具や遊び場所を調べること。クモの巣の細い強い撚糸を探すこと。玩具を隔離する。もし、可能であれば、ほんの少しだけ、漂白剤を入れた熱水の洗濯用桶にその玩具を浸す。用心すること!。 クモは、逃げようとして出てくることがある。数分間は、玩具から離れないように。出てくるクモは全部殺すこと。
(10) 煉瓦積み
  建物の周囲の煉瓦塀は、典型的に涙穴がある。こういった場所では、セアカゴケグモは、日中は深く隠れ、夜間に狩りをする。 解決策午後遅く、セアカゴケグモの巣を破壊する。それから、その夜戻ってきたクモが、昆虫の餌を捕えるため網を再び作らなければならいので、その時クモを殺す。
(11) ゴムのタイヤ
  ぶらんこや、地面に半分埋められた遊戯具のようなゴムのタイヤは、セアカゴケグモにとって理想的な状況である。クモは、隠れ家をタイヤの保護される部分の中に造り、巣を開放的な場所に広げる。 解決策タイヤを調べる。タイヤの内側を白く塗ってみる。セアカゴケグモは暗い隠れ家を好む。郵便箱についても、同じ解決策が使える。
(12) 車庫ガレージ及び庭の小屋
  金属の車庫のドアは、セアカゴケグモの最も好む箇所である。車庫は、いつも熱いし、クモは、わたし達が最初に使う箇所「ハンドル」ヘやってくることがよくある。車庫の入口の近くの低い位置の隅もまたよくクモが好む場所である。ここでの大きな危険は、車庫へ直接に通じている家である。クモは、簡単に容易に家に侵入する場合がある。玩具、自転車、金属製の工具、これらすべてがセアカゴケグモが隠れ、繁殖するのにもってこいの場所である。ある例では、一人の男性が海上で自分のヨット 上で咬まれた。セアカゴケグモは、舟がガレージに置かれている間は気がつかなかったが巣を作っていたのである。 解決策隅は、すべて片付け、きれいにする。見つかった巣はすべて破壊すること。殺虫剤によって影響を受ける可能性がある織物類を保護すること。その場所に専門家の手で殺虫剤を噴霧すること。
(13) 建物の中の小さな隙間
  クモの子は、家、車、または他の場所へ、ピンの頭ほどの著しく小さい隙間から入り込むことができる。自分の家には隙間がないと思われる方は、写真屋さんのトリックをやってみるのがいい。明るい光またはランプを夜、屋根に入れ、カーテンを引きライトをすべて消す。そこで、光が部屋に入ってくるすべてのピンホールを見る。そこから、クモが家に入ることができるのである。
(14) 新興郊外地及び新建設工事
  新しい郊外は、セアカゴケグモによって、最悪の影響を受けていることがよくある。整地段階で、木を切り倒したり、ブルドーザーで地均しをするなどの際に、セアカゴケグモが大変好む乾燥した砂漠のような景観をつくるからであると推定される。もし既に、そのクモが地域に居る場合は、このクモは素早く吸い込まれるように思えるほど素早く空地へ侵入し、多くのクモがいる隣接区域の密度を減らす。 <プール> よくありふれた発生源であり、水泳用プールがある景観は多くのクモの出没が際立っている。プールは、常に蔭のない地域に建設され、明らかにクモが好む場所となる。湿気が多くの昆虫を引き付け、これにより、セアカゴケグモに餌が供給されることになる。大きな岩は、隠れ家と日の当たる場所で餌を捕える巣をつくる場所を与える。
(15) 公衆用の施設空間
  橋、建物、建設現場、ショッピングセンターの駐車場、壁、フェンス、これらすべては、セアカゴケグモの隠れ家を豊富に提供する。これらの地域に駐車すると、クモが家までヒッチハイクをすることが可能になる。車の近くで、クモの巣がついている物体にはどれにも注意を向けることが必要である。当然、クモが「はびこっている」車は、その地域にクモの子をまきちらすことになる。
(16) 街路の水路及び豪雨用排水路
  おそらく、ある地域にセアカゴケグモがいるか、または、セアカゴケグモの問題がおこる可能性を孕んでいるかを早く決定する方法は、街路の縁石へ導かれる排水路や豪雨用排水路を調べることである。これは、車をゆっくり運転しながら行えることがよくある。この問題は、厳密には、地域の役所の問題であると考えられるけれど、これは、コミュニティーの努力があってはじめて効果的に対処できるものである。クモは、棒でかき回して排水路から掃き出すことができる。クモと卵はそこで、靴か、または、他の安全な方法によってつぶす。溝や豪雨用排水路で、見逃がしたクモの子が成長していないか定期的に調べること。
(17) 石油ポンプ
  ブリスベン首都圏で、石油ポンプの土台のところに、クモの巣がついて非常に繁殖している。勿論、これらの場所は、そこに住んでいる個人によって所有されているわけではなく、したがって、強く主張することはできないが、ここでの潜在的可能性は、車に燃料を入れている間に、クモが移動してついたり、はなれたりすることが可能だということである。
(18) 列車、バス及びバスの待合所や駅のシート(座席)
  汽車やバスは、いろいろ時間は異なるが、保留場で静止したままであることがよくある。Brown Widowsが、ジーセル機関の列車から見つかった報告がある。ここでもクモは、列車の外側の静かな凹所で巣を作り、昆虫が列車を通り過ぎる小さな渦を巻く風の流れに巻かれて入ってくるのを待っている。バスの外側からセアカゴケグモの報告は受けたことがないが、バスの中、座席の下からは報告があった。もっとよくあるのは、待合所付きのバスの停車場の座席の下、鉄道の駅の殆ど使用されない座席に沿ってセアカゴケグモの巣が見つかることがある。隅っこに、雑然と取りちらかしたクモの巣が出現する。
(19) 果物及び野菜
  セアカゴケグモは、果物や野菜が育つ田園地帯でよく見つかる。もっともよく報告がある場所はかぼちゃの下で、これらのかぼちゃはその「ヒッチハイカー」が長い間隠れたままで、市場や店に簡単に運ばれていくことがある。ぶどうもまた理想的な場所である。ぶどうは日光のもと高くぶら下がっていて、セアカゴケグモは、果物の下の隠れ家となった緑の多いスペースに巣を作る。ぶどうの中でセアカゴケグモが見つかった報告がいくつかある。常に手に取る前に、たとえ、包装されていても、クモがいないかどうか、果物を調べること。
(20) スポーツ施設
  楕円スポーツ競技場のベンチは、何日もの間、使用されないで放置される。観客が落とした食べ物は、鳩や他の昆虫を引き付ける。これらは、ベンチの下に巣を作るセアカゴケグモにとって、願ってもない餌である。ベンチの隙間は、また昆虫を運んでくる気流の循環がある。
(21) ヘルメットの中
  ヘルメットは、乗馬の際に使用されたが、ある期間使用されなかったと推定される。幼い少女の頭に載せられて、一匹のセアカゴケグモが居場所を追い出され、彼女の耳に這っていった。そこで、クモは、怒って、彼女を咬んでしまった。この幼い少女は、生き残った。
3.オーストラリアの血清
1)オーストラリアの血清の状況
(1)血清の概要
  オーストラリアには、世界でも、最も潜在的に危険な、有毒な毒液を分泌する生物が集まっている。連邦血清研究所CSL)は、オーストラリアで何年間もの間、血清を開発し製造してきた。この中には、最近導入された「Funnel-webspider」 の血清や、咬まれた箇所で、または、患者の血液、尿中の毒の存在とタイプを検出する「蛇こう傷毒検出キット(VDXs)」が含まれる。さらに、血清の投与の前に、プレメディケーションを使用することが多くなった。これは、おそらく、血清に対する多くの即時に起こる毒への反応を防いできている。CSLは、エンベノメーション(かむことなどにより、毒液を注入する)や、血清使用のデータの収集センターとして機能している。ここで、重要なデータの出所は、それぞれの血清パックに含まれている、血清の使用レポートである。 CSLのアンケートの返事での以前の調査は、1978〜1979年に行われ、もう一度12ケ月にわたる調査を行って、血清に対する即時のまたは遅延して起こる反応の現在の発生例と、そのような反応を防ぐための予防対策の使用を文書化することが決定された。VDKsの使用及び臨床値もまたこの調査の中で分析された。
(2) 血清に関する調査
<方法> 調査期間:1989年7月1日から1990年6月30日 CSL社
  調査の期間中、CSLへ血清の使用調査用紙を返送した各医者には、最初のレポートが受領されてから2週間後に、個人的に手紙が送られた。その手紙には、遅延反応があればその詳細、研究室の調査研究の結果の詳細データの依頼、そして、通常は、症例レポートを明確なものにするためのある特定の質問が付されていた。必要な情報を得るため、ある場合には何度も繰り返し手紙が送られた。その以前に、CSLが持っている未公開の記録もまた研究された。VDKsの性能に関する情報は、血清使用レポート、または、VDKsとともに包装されていたアンケートから得られた。
<結果>
  セアカゴケグモの血清を使用した258例のレポートが受け取られた。
  ・西オーストラリア州 25.4%
  ・南オーストラリア州 11.9%
  ・ニューサウスウエールズ州 13.8%  
  ・ソーサーンテリトリー 3.9%
  ・クィーンズランド州 17.5%
  ・オーストラリア首都圏 0.8%
  ・南オーストラリア州 16.3%
  ・タスマニア 0.4%
  男性(141;平均年齢、31才:範囲1-82才) 
  女性(115;平均年齢、31才;範囲1-74才)
  男性が女性よりも頻繁に咬まれている。 症例の78%の場合、咬まれたのは腕とか足とか先端部、最も多いのは「手」である。20%は、体躯または首、そして、2%は、でん部または性器であった。200以上の症例で、救急処置は取られなかった。32の症例で、冷湿布が咬まれた場所にあてがわれ、4例で圧力固定(これは、痛みを増大する)止血帯が1例で使われた。ある患者は、血清アンプル1本以上を受けた。33人の患者(13%)は、アンプル2本を受け、5人(1.9%) は、アンプル3本を受けたし、1人は、4本のアンプルを受けた。血清は、咬まれてから120時間後という遅れて投与された場合でさえも、好ましい反応を示した。 77人の患者は、抗ヒスタミン剤のみでプレメデイケーション(通常、筋肉注射でプロメサジンハイドロクロライド25mg)を受けた。 皮下注射で投与されるアドレナリンと組み合わされた抗ヒスタミン剤は、68の症例で与えられた。多種の薬品が組合わせて使用され、例えば、5人の患者は、抗体ヒスタミンとヒドロコーチソンを受けた。48例では、プレメデイケーションは、全く行なわれなかった。血清投与に対する即時反応2件のみが報告されている。1件は、33才の男性で希釈されない血清が、登録された看護婦により、プレメヂケーションなしで、筋肉注射の代わりに、誤って静脈注射された後、広範囲な紅潮、発汗、気管けいれん、発作、低血圧を呈した。1000分の1のアドレナリンの皮下投与の後、症状が急激に改善された。もう1件の即時反応は、軽度なもので、説明するのが困難である。24才の女性で、てんかんの病歴はない人であったが血清の筋肉注射を受けて20分後、全身性筋肉けいれんを発症した。彼女は、静脈注射で4mgのヂアゼハム(diazepam)を受けて、けいれん発作は急激に収まった。この患者は、血清を受ける前に、プロメサジンとアドレナリンのプレメデイケーションを、咬まれて後24時間後に受けていた。この段階で、彼女はクラシックなラトロデクトス中毒症を示していた。3件の重要な遅延反応が報告されている。45才の婦人で、血清を投与されてから1週間後に、クラシックな血清の疾病症状(関節の痛み、発疹、発熱、嘔吐及びリンパ節症)を呈した。彼女は、血清の前にプレメデイケーション(ヒドロコーチゾンとフエネルガン)を受けていたが、血清の後で、経口での予防コルチコステロイド療法を受けていなかった。この患者は、約25年前に、破傷風の抗毒素に対し、同様な遅延反応にかかっていた。
  もう1つの症例は、35才の婦人が、血清の筋肉注射の箇所の上にじん麻疹が現われ、体全体にゆっくり広がった.彼女は、血清の前にコルチコステロイドを受けていなかった。この患者は、何年も前に破傷風の抗血清に対し、同様な反応を示した。
  第3の症例は24才の男性で、血清を投与されてから6時間後に、特にそうよう症の全身的な発疹を呈した。彼は過去に猫の毛に対するアレルギーとぜん息の病歴があった。この調査の間、30才の婦人は、セアカゴケグモに咬まれた時、妊娠25週間であった。彼女は、血清で治療を受け、よい反応を示した。そして、月が満ちて、正常な赤ん坊を産んだ。また、1人の患者は、咬まれた翌日クレアチンキナーゼのレベルが上昇していて1339IU(正常範囲、45−235IU)であった。ラトロデクトス中毒症では、そのような高いレベルは、以前には、これまで報告がなかった。
2)血清の処方について
  大阪府で購入した「セアカゴケグモ」の血清に添付された文書の和訳を中心に紹介、記載する。 文書名→"RED BACK SPIDER ANTIVENOM"(CSL LIMITED,VICTORIA,AUSTRALIA) なお、正確を期すためには、原文を参照することが望ましい。
血清 《セアカゴケグモの対処方法について》
  この製品は、セアカゴケグモ ( Latrodectus mactans) の毒素に対する馬抗毒素血清である。この抗毒素は1単位が0.01mgの毒素を中和するように精製、濃縮し、規格化されている。0.22% (W/V)フェノールが防腐剤として添加されている。
(1) クモについて
  セアカゴケグモは、オーストラリアに広く分布しており、その色は暗褐色または漆黒で、背中(腹部)の中央に末端まで赤色またはオレンジ色の縦縞が走っている。その形態は球状で、通常直径が1cmである。このクモは、地面の上の丸木や樹皮の下、空容器、薪小屋、光の当たらない隠れ場で発見され、粗い不規則な巣をかけている。
(2) クモ毒による症状
  クモに咬まれると、鋭い痛み、あるいは灼熱感を生じることがあり、感覚がなくなることもある。その後すぐに、発赤と浮腫が咬傷部に生じ、局所的に痛みと発汗が随伴して起こることがある。その痛みはしばしば激しいものであり、しだいに激しさを増し、全身に拡がることもある。通常、おびただしい発汗が起こり、随伴症状として悪寒、嘔気、不穏、筋脱力があらわれることがある。
(3) 処置
  包帯や止血帯はすすめられない。クモ毒素の反応は比較的ゆっくり起こるためであり、また末梢循環を制限することが局所の痛みをより増加する可能性があるからである。咬傷部を切開または切除するべきではない。アイスパックの適用(凍傷をおこさないよう注意)は痛みを緩和するかもしれない。診断は通常簡単である。たとえクモが発見されなくても、突然襲ってくる上記に述べた症状や徴候により、通常他の診断と区別できる。もし何かに咬まれたが、クモかどうかわからない時、また、咬傷部以外にいかなる症状、徴候も生じないのであれば、抗毒素の投与はしばらく控えるべきである。子供の場合、特に夏に突然痛みを伴う皮膚症状を起こした場合には、セアカゴケグモの咬傷を常に念頭におくべきである。また、睾丸捻転を鑑別診断の一つとして考えるべきである。もし、人が実際にセアカゴケグモに咬まれた場合、クモ毒による明らかな苦痛を伴う症状がみられる。咬まれてから24時間経過し、抗毒素を投与されていない状態で、弱い局所症状のみが生じているのであれば、抗毒素の投与は控えるべきである。上記以外の場合には、抗毒素の投与を薦める。投与は早ければ早いほどよい。 抗毒素の初期投与量については目安がない。ヘビの抗毒素は静注すべきであるが、セアカゴケグモ抗毒素は筋注で効果がある。ヘビの抗毒素は筋注では吸収が大変遅く、投与量があまりにも多くなるため、静注で投与すべきである。セアカゴケグモ毒に比べ、ヘビ毒は急速に危険な症状が進行するためである。
<抗毒素を投与するための方法を以下に示す。>
1. 患者に適量の抗ヒスタミン剤を非経口的に投与する。
2. アドレナリン1ml(1mg/ml) を注射器に吸う。患者が馬血清蛋白に対してアレルギー体質である場合、あるいは、以前馬抗毒素を投与されたことがある場合は少量のアドレナリンを皮下注射する(例えば成人で0.5mg)。 一般の成人の場合でも予防的な量として0.25mgのアドレナリンを皮下注射する方が良いかもしれない。小児の場合はもっと少量を投与すべきである。
3. 全量であれテスト量であれ、アナフィラキシー反応に対応できる状態でのみ抗毒素を投与すべきである。
4. 抗ヒスタミン剤を非経口的に投与した15分後に(他の部位へのアドレナリン投与の有無に関わらず)、セアカゴケグモの抗毒素を筋注する。(初期量は1アンプル500単位)。 1時間以内に何の改善も見られない場合、同量の抗毒素を繰り返し投与する。患者が重篤な中毒症状をきたしている場合は静注すべきである。この場合、前もってすべての患者に少量のアドレナリンを投与しておき、ハルトマン液あるいは同様の溶液10に対し抗毒素1になるように希釈する。抗毒素投与により、クモ毒の様々な作用に対し迅速に効果を及ぼし、補助的な治療が通常必要なだけである。緩和な鎮痛剤や鎮静剤を用いた方がよいこともある。ジアゼパムは患者の苦痛や筋肉痙攣を軽減させる。動物に咬まれたとき、患者の免疫状態により破傷風の予防処置を行うべきである。
(4) その他
  ・症状の記録
   セアカゴケグモに関するどのような治療症例も会社に報告していただきたい。
  ・内容量:セアカゴケグモ抗毒素は容器に500単位含む。
  ・貯蔵法:2〜8℃に保存する。(要遮光、要冷蔵、凍結厳禁)
(5) 主な症状
  局所症状 痛み 76% 発赤 33% 浮腫 24%  熱感 19% 掻痒感  4%
  随伴症状 リンパ腫脹 19%
  全身症状 咬傷部以外の痛み 39% 嘔気あるい嘔吐 20% 発汗 15% 不快感 10% 知覚異常 10%
         発熱 8% 不眠症 8% 眩暈 4% 頭痛 4% 発疹 4% 高血圧 3%
<参考文献>
  Weiner S. Red Back Spider in Australia: An analysis of 167 cases.
  Wed J Aust 1961;2:44-9 Sutherland SK.
  Management of spider bites in Australia.
  Australian Prescriber 1981;5:83-7.
  Sutherland SK.Trinca JC Survey of 2144 cases of Red Back Spider bites.
  Med J Aust 1978;2:620-3.
4.オーストラリアにおける毒性の知見
−オーストラリアの文献から−
(1).咬み傷と症状
  メスのみが、十分に大きく、人間を咬んで害毒を与える。最初の一かみは、多くの場合、感じられるが、明らかな痛みはない。しかし、何人かの犠牲者は、焼けるような感覚をもったとの報告がある。咬まれた穴のあとはいつもはっきりしているとは限らない。多くの場合、咬まれてから約5分後に激しい局所の痛みを経験する。咬まれた場合、その約40%の症状は、汗をかいたり、筋肉の脱力感、麻痺、こり、運動神経喪失、震え、及び感覚異常などの何らかの神経筋肉性のものを含む。また約10%は、筋肉脱力感、吐き気、おう吐、局所の腫れ、目がくらんだり、または、気を失ったり、局所紅斑、頻脈、心気昂進、不眠、悪寒、発熱及び筋肉のけいれんもまた記録されている。いくつかの反応は、かなり、異常なものである場合がある。強直、歯のうずき、舌の腫れ、咬まれた箇所の感染、けいれん、喉の乾き、下痢、ショック、発疹、部分的に汗をかく、眼か周囲の浮腫、その他。セアカゴケグモのかみ傷の診断徴候は、咬まれた箇所の局所的な発汗である。
(2).かみ傷の治療
  セアカゴケグモに咬まれた場合、毒は徐々に作用を示すようになるので、それを局所にとどめると咬まれた場所での痛みをより強くするという理由により、何も特別な応急措置をとることはいらない。最良の行動は、咬まれた人を、即座に、パニックにおちいることなく、医学的な救急処置がとられるところへ運ぶことである。少なくとも3時間以内は、重大な病気が現われることは稀にしかない。1963年から1976年までの間に調査された2144の症例では、殆どの場合、血清が投与された。一つの症例では、咬まれた人が、咬まれた直後に痛みから突然に倒れ、血清が投与されるまで数時間は痛み止めを必要とした。勿論、万一、ぜん息、または、アレルギー傾向のある人が咬まれたなら、症例ははるかに厳しいものとなる。州の検視官は、婦人が首に咬まれて40分以内に死にいたった例を報告している。彼女は過敏性のショック症状がおこり、喉が締め付けられた。
(3).救急処置
  氷嚢を咬まれた場所にあてがって、痛みをとる。圧力式包帯はしない(毒の動きは、遅いので圧すると痛みをひどくする)。セアカゴケグモによる被害と確認するため、そのクモを捕えること。医療診察手当を求めること。
(4).毒液注入
  セアカゴケグモの毒の主要な毒素は、分子量130,000の蛋白質で、この物質は、神経の終端部で、アセチルコリンまたはカテコールアミンのどちらかの枯渇を起こす、独特の選択的な作用を引き起こす。咬まれた場所、または、実際に咬まれた場所から遠く離れた部位でのみの発生のメカニズムはわかっていない。人に毒液が注入される事故が発生するのは、殆どの場合、夏で、オーストラリアでは、少なくとも年に300例が発生していて、特定の血清の使用を正当なものとしている。症例の74%が手足に咬まれていて、男子が女子の2倍の頻度で犠牲者となっている。クモに咬まれて後の治療は、注入された毒液の量、咬まれた場所の血管の状態、及び犠牲者の体の大きさと健康度に依存する。毒液注入のあらゆる場合と同様に、若年の幼年者、虚弱者または、高齢者の場合に、よりはるかに重症となる。 かみ傷は、ふつう、すぐに痛みが出て、ほとんどすぐにクモが害毒の原因であると判断される。よくある特徴としては、初期の最初の頃の咬まれた場所での発汗で、それから、これが次第に全身的なものとなる。時には、多量の発汗が咬まれた手や足で起こる。毒が広がるに従って、吐き気、おう吐、及び頭痛が起こる場合があり、極端に激しい症状の場合は、徐々に進行していく筋肉の麻ひが出てくる場合がある。移動性の関節の痛みもよくある症状である。特に、子供の場合、腹痛は、もっともよくある特徴であろう。ある程度の低血圧も、通常、明白であるが、発熱はそれほどよくある症状ではない。治療をされなかった場合、兆候や症状は、数時間または、場合によっては24時間に亘って、激しさが増大する。それから、致命的でない症例では、翌週中に非常にゆっくりと消えていく。特定の治療無しでは、筋肉脱力症やけいれんのような後遺症が消えるのには何箇月もかかることがある。
(5).血清の投与
  犠牲者が、24時間の観察期間の後に、全身的な毒液が行き渡ったという証拠がなく、軽度の局所の反応を示すだけであれば、そのような場合には、血清は使用するべきではない。そうでない犠牲者の場合はすべて、血清に同封されているパンフレットで指示されるように、血清を処方しなけれはならない。ヘビの血清とは対照的に異なり、この血清は、静脈注射の代わりに筋肉注射で与えられる。この治療ルートは、何年間もに至って、必要容量が小さいこと、また、毒の重大な効果が発現するのが比較的に遅く(遅発性)であることから、臨床的に満足のいくものであることが証明されている。しかし、毒液注入の程度が激しい場合には、筋肉注射の場合の血清の吸収は遅いので静脈注射が行われるべきである。症状が重い場合には、血清の量を増やさなければならないことがある。 最後に、クモの毒に関して、興味をそそる臨床的な例が他に2つある。 第1の様相は、咬まれてそれに伴って症状が長引いて、1週間までに、手当を受けるべく出てきた患者は、血清に対し急速に反応を示した。 第2は、死へ至るメカニズムは、殆どわかっていない。オーストラリアで、最後に死亡がでたのは1955年のことであり、血清が手に入る前のことであり、このケースについては殆ど知られていない。