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主力戦闘機であるGPZ750R−G1忍者のページ
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タペット(バルブ)クリアランス調整
チャタリング 克服?
アラスカ仕様からの脱却
タンクの錆び取り
クランクケースカバー流用
FCRのオーバーホール

FCR オーバーホール

FCRをOHする。今までちょくちょくセッティング変更時などにジェットやニードル、スライドバルブをなどを清掃してはいたのだけど、今回はボディ外側の清掃も含めてOHした。前から使ってみたかった洗浄剤を使用して丸洗いしたのだ。(写真満載で重い)

先ずはバラす。ファンネル、フロートカバー、トップカバーを取り外して、フロートや各ジェット類、ニードルを取り外す。
 ファンネルを取り外した吸気側、汚い。ボールポイントのアレンキーが必要。
右側のジェットがメインエアジェットで、左側のがエアースクリュー。マイナスドライバで外せる
取り外す前にエアスクリューは何回転戻しか確かめてから取り外そう、そうでないと今までのキャブセッティングが無駄になって、OH後一からのセッティングとなってしまう。ちなみにFCRにはエアスクリュー式と、そうでないタイプが有って、エアスクリュー式でないタイプはここがスローエアージェットになってる。エア量が固定のスローエアジェット式と、エア量可変式のエアスクリュー式の2タイプが有って、セッティングの時にジェットを交換するか、スクリューを回して調整するかの違い。当然、エアスクリュー式の法が便利。スローエアジェット式のFCRでも、スローエアジェットをオプション設定されているエアスクリューに交換する事でエアスクリュー式に変更出来る。現在出荷されているキットは多分全てエアスクリュー式だと思う。 あ、そうそう、よく混同されるけどパイロットスクリューとは別。

カバーを取り外したフロート室側。(キャブ下側からの絵)
真中のがメインジェットで、その下にあるメインノズルにに固定されている。FCRはメインジェット交換だけならフロートカバー(フロートチャンバーボディ)を外さなくても、フロートカバーについてる14mmのボルト(ドレンみたいなの)を外せば交換出来るのだが、忍者の場合は2番がクランクケースの出っ張りに干渉して交換出来ないので、結局キャブを外す事になる。メインジェットは6mmのスパナ、メインのズルは8mmで外れる。

メインジェットの左側の穴の奥にスロージェットが有るので、これも外す。マイナスドライバで外せるのだけど、軸とブレードが同じ幅のタイプのマイナスドライバでないと穴に入らない。
キャブをバラスには何種類かのマイナスドライバ必要。無理するとナメて二度と外せなくなるので、なければ焦らずに揃えてから取り掛かろう。

メインジェットの下に有るのがパイロットスクリュー。ここはフロートのカバーを外さなくても取外し出来るが、車載状態ではキャブの真下から見えない奥まった個所にあるので微妙な調整や取り外しはかなり困難だ。今回もフロートカバーを取り外してから外した。見ての通り、マイナスドライバで外せる。ここも一応外す前に何回転戻しか確認してから取り外そう。(FCRのセッティングマニュアルには、エアスクリュー式の場合はパイロットスクリューの開度は1回転戻しに固定にして、エアスクリューでセッティングを行うとなっている)パイロットスクリューの奥にスプリング、ワッシャ、Oリングが有るのでこれも忘れずに取り外す。かなり小さいので、先の細いピンセットが有ると便利。組立て時は、先にパイロットスクリューにスプリングとワッシャとOリングを差してから行わないと、Oリングやワッシャの治まりが悪くてイライラさせられる事になる(笑)
スプリング ワッシャ Oリング

 フロート(キャブ上側からの絵)
このガソリン色に染まっている樹脂部品がフロートで、これがカバー内に満たされたガソリンの中で浮き沈みして油面を一定に保つ役割をする。写真右上に支点が有って、油面が上がると支点を軸にフロートと一緒にフロートバルブ(写真のロケットみたなの)が持ち上がって、ガソリン出口に蓋をしてガソリンを止める。オーバーフローは、このフロートバルブとガソリン出口(バルブシート)の間に異物が噛みこんで密着が悪くなり、ガソリンを止められなくなり起こる事が多い。だからFCRに限らず、OHでキャブをバラした時はフロートバルブの段付磨耗やバルブシート内の異物の有無なんかを良く調べる。大昔のバイクはフロート自体が真鍮製で、腐食により穴が空いたので良くオーバーフローしたそう。油面調整はフロートバルブとフロートの取付部の金属板を曲げて行う。

トップカバーを外したキャブ上側(アクセル全開時)

真中に見えてる六角穴付きボルトがニードルセットスクリューで、この中にニードルが入ってる。元々ニードルセットスクリューはマイナスドライバで外すやつだったんだけど、固くてよくナメるので京浜から出てる六角穴付きタイプに変更した。で、ニードルが付いてる所がスロットルバルブ。アクセルを開けると、リンケージを介して直接このスロットルバルブが上下してスロットル開度(ベンチュリー径)が変化する。ニードルはニードルセットスクリューを外して、下から押してやると外れる。
抜けてくるニードル

で、バラしはこれで終了。本当はスロットルバルブも外したいんだけど、全バラにすると後の同調合わせが面倒なので止めておいた。苦手なのよ、この作業。 スロットルバルブを取り外すにはリンケージ上の同調ナットとボルトを外せば簡単にスロットルシャフトが上に抜けてくる。簡単なんだけど、何となくやらなかった。

ここからが洗浄。先ずはサンエスK1という洗剤をパレットに入れて、給湯器から一番熱いお湯を出して溶かす。
 たしか、ストレートで数百円だったと思う

出来るだけ温度が高いほうが洗浄力が高いだろうと言う事で、給湯器からのお湯は少なめにして、バラしたキャブ一式を入れてから、最後は電気ホットから沸騰した湯を注いで微妙な湯面調整した。と言うのも、FCRのスロットルリンケージに使われて居る耐ガソリン性弗素グリスと言うのが非常に高価で手に入りにくいので、リンケージ部には洗浄液を漬けたくないからだ。ちなみにこのグリスは100g2万5千円!

大体これくらいの高さまで漬けた。
漬け置き洗いをして居る間にちょっとお出掛けてして、約2時間後に帰ってくると下の様な状態になっていた。
 当たり前だがフロートは浮いてる
置いているだけでここまで洗浄液が汚れていたと言う事は、かなり汚れが落ちて居ると言う事だろう。ファンネルはこれだけで新品同様にまで綺麗になってたし、キャブ本体やフロートカバー外側の頑固な汚れも、軽く歯ブラシで擦ると落ちた。素晴らしい!
落ちた砂や埃が各通路に入り込むのを嫌って、出来るだけそっと洗浄液から取出し、勢い良く水洗いして洗剤成分を落とした。それからエアブローして、水気を飛ばし、最後にパーツクリーナーで各通路を念入りに洗浄してから組立てに入った。サラっと書いているが、組立てが一番重要なので、慎重に組み上げよう。油面調整やスロットルの同調調整も確実に行わないと、OH前よりも調子が悪くなるよ。
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