現代演劇用語集【あ】
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あ
- 【アイソレーション】isolation
- ダンス用語。基礎訓練の一つ。首、肩、胸、腰などの各部位をばらばらに動かすこと。たとえば上半身を固定して下半身(腰)を前後左右に動かす、下半身を固定して上半身(胸)を動かす、とか。
- 【あおり】
- (照明)カットイン・カットアウトを繰り返したり、焦点をぐりぐり回したりすること。
(音響)音をサイレンのように大きくしたり小さくしたりすること。
- 【明転】あかてん・あかりてん
- →明転
- 【顎足枕つき】あごあしまくらつき
- 顎は食事、足は交通費、枕は宿代。すべてまかなってくれる、とっても素敵な現場。
- 【足のポジション】positions
- ダンス用語。5つの足のポジションがある。→図解
- 【アチチュード】attitude
- ダンス用語。後ろにあげた足を膝から折るポーズ。曲げた足は床と並行に。足先はポイント、上体はまっすぐ上に引き上げる。曲げてる足を伸ばす姿勢はアラベスク。
- 【あめんぼ】
- 北原白秋の韻文詩。発声練習用の教材で広く使われている。 正式な名称は『「五十音」の歌』。中学校の演劇部員も覚えて唱えているもっともポピュラーなもの。→全文
- 【ありもの】
- 最初から劇場に用意されてるもの。
- 【アングラ】underground
- アンダーグラウンド演劇。リアリズム演劇に反抗し、肉体や演劇空間のもつ力を重視。学生運動とかと重なって、思想も表現もとってもアグレッシブ。
- 【暗転】あんてん
- 幕をおろさず、舞台を暗くして場面を転換すること。対義語は明転。
- 【息台詞】いきぜりふ
- 声にならない、ため息のような台詞のこと。悲しそうに聞こえる。なれない役者は、語尾をすべて息台詞にしてしまう。「お袋〜さんよ〜」(森進一)を思い出していただけたら。
- 【板付】いたつき
- 幕が開いたときや回り舞台、暗転から明かりがついたときに、すでに舞台上にいること。またはその役。
役者が経験を積んで舞台にぴったり調和することを「板に付く」というが、「板付」はどんなぺーぺーでも経験できる。
- 【板目】いため
- 地がすりを敷かないそのままの舞台床面。
- 【一文字】いちもんじ
- 一文字幕。照明機材を隠すために舞台手前に吊られる細長い幕。
- 【イントネーション】intonation
- 発声の抑揚。声を上げたり下げたりしてセリフに調子をつけること。
一文の中で、最も云いたい部分のイントネーションがいちばん上がる。タロんとこの基礎科のレッスンで最も重視されていたのがコレ。セリフをひとつ発するごとに、なだらかな山形を描 - 【イントレ】intolerance
- 工事現場で用いる足場を、機材のセッティングや舞台装置として組んだもの。
1916年米映画「イントレランス」で初めてイントレ上からカメラ撮影したことに由来。
- 【外郎売】ういろううり
- 歌舞伎の演目。その中の外郎売の口上部分が発声・滑舌練習用の教材として広く使われている。江戸時代初期の歌舞伎役者、二代目市川団十郎が舞台上でまくしたてる早口コトバが大受け、以後大ブレイクしたのが発祥。「ういろう」とは飲むと健康になった挙句に舌がくるくる回りだす帝御用達の薬。名古屋名物のアレではない。→詳細 →口上部分テキスト →口上部分注釈
- 【打つ】うつ
- 芝居を興行すること。
- 【裏方】うらかた
- 舞台裏のスタッフで、衣裳方・小道具方・大道具方など。対義語は表方。
- 【エチュード】etude
- 練習用の作品。演劇の世界では「ロールプレイング」の意味で使われてる。つまり役割と設定だけを決めて、即興で演じられる劇。セリフを覚えへんタロにとって、本番の舞台がまさにエチュード。
- 【演技指導】えんぎしどう
- 役者に対して行われる演出。その時代や国・地方などによって違ってくる行動形式・言葉遣いなどを指導することもある。プロの役者は必要最低限ですむ。そのために日舞や剣道、お茶や楽器などのマスターは欠かせない。と自分を棚上げ。
- 【演出】えんしゅつ
- 演劇や映画、テレビなどで、脚本・シナリオをもとに俳優の演技、舞台装置・音楽などを監督して作品をまとめあげること。また、その人。本番当日になるとどこにも居場所がなくなる。
- 【大黒】おおぐろ
- 大黒幕。舞台の一番奥に吊る黒い幕。
- 【大道具】おおどうぐ
- 建物・書割・樹木・岩石など、出演人物が手にとることのない飾りつけ。どんなに大きくても手のとるものは小道具。
- 【表方】おもてかた
- 興業主や経営に関わる事務、あるいは接客をするスタッフのこと。役者のことじゃない。対義語は裏方。
- 【おはようございます】
- 業界における挨拶。朝だろうと昼だろうと夜だろうと、その日初めて会った人に使う。もとは歌舞伎業界の生まれ。かつて歌舞伎が朝から晩までぶっとおし公演を打っていたころ、偉いさんは夜の部から出演すればよかった。そこで朝っぱらから小屋につめている人たちが偉いさんに「もっと遅くにいらしてもよかったのに、お早いお付きで」と謙遜したり、逆に偉いさんが下っ端をねぎらって「早くからご苦労さん」と挨拶するようになったといういわれがある。
仮想劇団くじら座