満鉄各線区別の抜粋時刻表と行先板資料

ここで展示している行先板は近年中国の近代化により、古い建造物が取り壊されている中で発見された品々です。
旧満鉄や軍関係の倉庫に終戦時以降に集められ、長年眠っていた物の一部で 満鉄晩年の品々が中心と思われます。
ホーロー製のため、鉄としてのリサイクルには不向きですが
当初はガラス質を叩き剥がして鉄屑として再利用されていたそうです。
 
現在発見されているものについて分類すると大きく下記の3タイプとなります。

@ 満鉄マークなしで取り付け穴ピッチが広いタイプ  (吊りピッチは日本国鉄と異なる)
A 満鉄マーク付で固定式吊り金具が付いていたもの  (吊りピッチは日本国鉄に同じ)
B 満鉄マーク付で可倒式の吊り金具が付いていたもの(吊りピッチは日本国鉄に同じ)

 ここでは行先板の表裏区間と時刻表との比較により使用された列車の特定を試みました。
推測ですが上記の中では@は年代的に一番古いものと思われます。A、Bは区間の開業時期や
駅名表示等から、明らかに満鉄後期のもので、おそらくBが終戦間際のものではないかと思われます。

さらに細かい分類ではAのタイプでも満鉄マークなしのものや鉄板の板厚が厚いものがあります。
よく見ると同じ行先でも満鉄マークの大きさが違うものがみられます。
@の白文字部については、白というよりクリーム色でA・Bの白文字部とは色調が異なっています。
展示資料にはありませんが表裏で満鉄マークの有無が混在するものやアルファベット表示でも
”I”の文字が”縦棒”タイプと”工”タイプ等の存在が確認されています。

尚、「鉄道ピクトリアル」 2010年10月号 行先板・種別板特集にも
満鉄行先板についての記事があります。

.