■「土地について」
家の快適さは敷地の自然的条件・社会的条件によって大きく左右されます。 いくら「シンプルな杉の家」が自然素材に囲まれた空間であってもそれは環境という大きな手のひらに載せられた箱でしかないのですから。 これから土地を探される方はとにかく慎重に焦らずに納得のいく土地を探して下さい。今までにも複数の方がわたくしからの「もっといいのがでるまで待った方がいいですよ!」というアドヴァイスに従われ、最終的に土地の内容・価格とも極めて納得のいく結果が得られました。 一般的には「東南角地で背後(北)に山」がいいとされます。角地故に風通しよく、南向きで陽当たりよく、背後に山で北風が吹かなければ夏も冬も比較的快適に暮らせるということです。こういう土地は例えば関西では六甲山系を背後にひかえ海を望む神戸市の南斜面がそうです。(あくまで風や光という自然的条件のことで学校の便などの社会的条件は別の話です)
しかし普通にはこんな土地にはなかなか出会えない。 それでもせめて陽当だけは満足のいく土地を探して下さい。 -1 南側道路の土地 南に道路があるということは一般的にはその土地は日当たりが良いと言うことになります。 しかし道路の幅が4m程度だと南向かいに3階建てが建つと冬場の陽当たりに支障が出てくることもあります。 玄関を南側にると日当たりの良い部屋がその分減るので間口に余裕があれば西側か東側に玄関が来るようにアプローチを長くとればよいです。 -2 北側道路の土地 玄関が北側にとれますから南側をすべて居室にあてることができます。ただし南側隣地の建物の高さの関係で必ずしも陽当たりは期待できません。 -3 東側道路の土地 東側に道路があるということは一般的にはその土地は午前中の日照が期待できるということになります。畑でも午前中の日照があればだいたい育つようでに、生命にとっては有り難い光のようです。 台所、食べるところを東に持ってくれば朝陽の中で食事が出来て気持ちいいです。寝室を東にすればその部屋は確実に朝陽で起きられます。 -4 西側道路の土地 西側に道路があるということは西日がよくあたるということになるのですが、冬場に寒いところを除けば西日は台所内部を暖めて食品を早くいためたり特に夏場の西日はありがたいものではありません。 一般に西日は東の日射しほど有り難くない。 西日を避けるには落葉広葉樹を窓の近くに植えるとか窓の外によしずをかける・・・といったところでしょうか。 基本的には西側一杯に建物を寄せてなるたけ東からの採光が得られるようにします。 |