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スペイン  平成10年の暮れ、一週間、スペインに行ってきました
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 太陽と歴史の国スペインの首都「マドリード」を紹介します
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No7
12月23日(水)6日目
 今日は、トレドの町へ、スペイン国内唯一の日帰りの旅 。
  8時25分の汽車に乗れるようアトーチャ駅まで地下鉄を乗り継ぎ切符売り場へ。
  ところがクリスマスの前日だというのに、ストライキで汽車は間引き運転中。
  目的の汽車は走らず次のトレド行きは10時25分。
  仕方なしに、地下鉄に乗り、メンデス・アルバロ駅から徒歩5分の南バスターミナルバスターミナルに行き、580Pstのバス券を購入。
  8時30分発トレド行きに乗った。バスの窓からは、マドリードと市街地を出たところから夜が明け、太陽が地平線に登る。
  マドリードの郊外の景色を眺めながら約1時間30分でトレドの町に着く。
  朝早いためか霜がおり、吐く息も白い。
  バスターミナルから町の中心部までは、徒歩で20分程度。
  グレコの愛した町並みを写真に収めながらてくてくと歩く。
  タホ川が周囲を流れる丘の上にあるトレドは、紀元前2世紀にローマによって征服されたとき、すでに要塞があったという古い町。
  さまざまな民族や宗教が混在する特異な文化が発展したが、16世紀のマドリード遷都後は政治文化的求心力を失い、そのまま封印されてしまったかのように、グレコがみた景色そのものが残っている。
  トレドの一番の見物は、ゴシック建築の荘厳な大聖堂カテドラルである。
  1493年に完成したスペインカトリックの総本山で、円形天井70、88の柱列、750のステンドグラスをもち、大礼拝堂は、双頭の鷲をもつ鉄格子が目を引く。
  エル・グレコの「聖衣をはぐ人」「12使途」、歴代司教の肖像画、コロンブスが持ち帰った最初の金が使用された聖体顕示台など見所が多い。 ここから、グレコの最高傑作「オルガス伯爵の埋葬」が展示されているサント・トメ教会を経由し、道に迷いながらもエル・グレコの家に着く。
  1541年クレタ島に生まれたグレコは、トレドの持つ雰囲気に魅了され1641年亡くなるまでの40年間この町で暮らした。
  そのため、誰もが、本名ではなく、ギリシャ人という意味のエル・グレコと呼んだ。
  小さな慎ましい家を予想していたが、大きな贅をこらした家で、クレタ島の裕福な家庭に生まれた息子を思わせた。
  グレコの家から、サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会へ向かう。
  町の西の端にあり、回廊に美しい透かし細工のアーチがある。
  次は、現代の市民戦争まで戦いの歴史を刻み続ける「アルカーサル」を訪れた。
  トレドの一番高い丘に建つ城塞で、13世紀に築かれたものを、16世紀にカルロス5世が王城として改装した。
  1936年のスペイン市民戦争で、フランコの国民軍が籠城し、共和国軍の激しい攻防に、完全に破壊された。
  現在は、修復され、記念館となっている。
  アルカーサルからソコドベル広場へ向かう途中でタクシーを拾い、トレドの風景を見下ろすパラドールに向かう。
  「パラドール」とは、スペインの国営ホテルの名称で全国に86カ所ある。
  古城や修道院、宮殿貴族の館などを改修して作られたものが多く、重要文化財クラスの建物に泊まれる。
  トレドのパラドールもカステーリャスタイルの外観で、何よりもホテルのテラスから一望できるトレドの町が絶景である。
  ここのレストランテで、旅行最後の晩餐会を催す。
  前菜の何と15種類に及ぶスペイン料理と、メインの子羊、妻は魚とエビ、デザートに特大のアイスクリームと妻はチーズケーキをいただき、満腹感とともに、「美術とスペイン料理」の旅行を懐かしく振り替えった。
  食後は、もう一度テラスに降りて、トレドの全景を目に焼き付け、タクシーでバスターミナルに向かい、近くの売店で、トレド銘菓のマサパンを買う。 マドリードまでの直行バスは、指定の席で、ほぼ満席に近かった。