マネー ゲームとは


 マネー ゲームとはお金という名のポイントの保有量を増やすことを目的としたボード ゲームのことである。ポイントの単位にはドル、ユーロ、円など様々なものがあり相互に交換が可能である。
 世界中の多くの人が参加者としてボード上に乗せられているが、自分の意思でプレイ出来るプレーヤーになるのは難しい。参加者としてボード上に乗せられている人達は、プレーヤーのプレイに右往左往させられている。


 プレーヤーには自己の保有ポイントを増やすことを目的とした投資家型と、所属団体の保有ポイントを増やすことを目的とした経営者型があるが同じボード上でプレイしている。
 プレーヤーになるには個人でゲームに影響を与えるほどのポイントを保有して大資産家型プレーヤーになるか、ポイントをたくさん保有する団体の代表者になって経営者型プレーヤーになる必要がある。ただし、どちらも努力だけによって成れるものでは無い。(大資産家型のプレーヤは特にそうである。)


 経営者型のプレーヤーは所属団体の保有ポイントを増やせばそのことが評価され自己の保有ポイントを増やすことが出来る。
経営者型プレーヤーの目的は所属団体の自己に対する評価を高める事である。それは所属団体のボード上の相対的順位によってなされ、ボード上の総ポイント数が減っていれば 所属団体の保有ポイント数やポイントの増加量が減っていたとしてもプレーヤーの評価が下がることはない。


 経営者型のプレーヤーがより多くのポイントを集めるセオリーを書き連ねた解説書はあるが、現在の解説書は短期的なポイントの増減のみを取り扱い、長期的視点に立ち自己のプレイによりボード上の総ポイント数を変化させてしまうことは考慮していないので、結果として所属団体の保有ポイント、ポイントの増加量が減ってしまうことがある。しかし、先に述べたようにボード上の総ポイント数が減っていれば経営者型プレーヤーが所属団体から責めを負われることはない。この点に関しては今後の研究により解説書が改定されることが望まれる。


 参加者がポイントを得たり、消費してがそれがゲーム ボード上のポイントになる。プレーヤーには参加者にポイントを配る義務があり それによりゲーム ボードそのものが拡大するはずであった。しかし、プレーヤーの目的は自己や所属団体の保有ポイントを増やしたり所属団体から良い評価を得ることであるので(注)参加者にポイントを配り それによりゲーム ボードそのものを拡大することには無関心である。それゆえ現在、ゲーム ボードそのものが縮小しつつある
 ゲーム ボードの縮小を止められないと最終的にはゲームが終了となってしまう可能性がある。そうなった場合は新たな主催者により新たなゲーム ボードが開かれる
 参加者は新たなボードに移ることが容易であるが、以前のゲームのプレーヤー、プレーヤーの所属団体が新たなボードにプレーヤーとして参加できるかどうかは不明である。



2017/06/21
2017/06/27 小文 追加


 ある個人投資家の話をテレビで見たことがあります。まるで中毒であるかのようにコンピューターに向かわれていました。その方は十分な資産を持ち 使いきれないほどの額の利益を毎日得ているそうです。しかし、何かの目的の為にお金を増やしているのでもなく、お金を散財するでも無いのだそうです。
 「この人はあくまでお金を増やすこと自体が目的であり、只、ゲームとしてプレーしているだけなのじゃないか。」と思いました。
 結局、大企業の経営者なんかでも同じ様な意識なんじゃないですか? ニュースや新聞で比喩的に“マネー ゲーム”と言っていますが、本当にゲームとして自社の評価、価値を上げることを目的としているだけなんじゃ無いですか? でも、ゲームではなく実体のある経済でコストカットと称して支払いを削れば、数字上は成功していると評価されますが、小さな企業ならともかく、大企業の場合は市場規模を小さくしてしまうんじゃないでしょうか? 下請け企業の社員さんも巡り巡ってお客様ですからね。



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