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PVTとPBTの検査から
X児の事例をもとに
X児は、発音に誤りがある5才の幼児です。
・PVTのssが6
・PBTのIQが100
BlockよりPictureの得点が高い 検査時の様子から
PVTの検査で
身近なことばや生活でよく聞くことばは、理解している。
しかし、生活からはなれたことばは、まだ理解していない。
「知らなかったら、知らないと言っていいよ」と話しても、質問に「知らない」と返答す
ることはなかった。
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PBTのBlockの検査で、
1色のブロックはモデルを見ながら、構成することができた。
また、2色のブロックでも、1色の面の構成は、モデルどおりにできた。
斜めに2色に分割された面の構成では、モデルの上に、構成しようとするので、
「ここにつくって」と指示することが必要だった。
指示を聞き入れ構成するが、できないでいた。
ブロックを回転して、2色の面を見つけられない。
未完成のままとまったので、 「できた?」と確認すると「できた」といい、終わって
しまう。
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PBTのPictureの検査で、
三角ピースは、「むずかち/しい」と言いつつ、まわしながら構成できた。
はめ絵の小ピースを取り出すとき、上から取ろうとする。
台紙を持ち上げ「こうすれば取れるよ」と上から押して、下に落としてあげる。
次の時にはこのことを模倣できないでいた。
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評価
聴覚認知より視覚認知が優位と考えられる。
言語理解
語彙数から見れば1年ほど遅れている。
情報処理 全体的統合的情報処理のほうが、分析的情報処理より優位
刺激の特徴 聴覚より視覚的な刺激が有効、
無意味で抽象的なものより有意味で具体的な刺激が有効
模倣
モデルを見ながら自分も同じものを作ろうとするが、
斜めの模倣はしにくいのか。
無意味なものの模倣はできにくい
注意の集中 指示には対応している。PBTの検査をやりきる。
記憶
はめ絵をはずすのを模倣できなかったのはなぜか?
その他に
三角ピースを平面でまわすことができたが、
2色ブロックを回転させることができなかったのはなぜか?
視覚認知は年齢相応であり、2次元の操作はできる。
3次元の操作がむずかしい。
はめ絵の小ピースをはずすのを模倣できなかったのは、他者の言動や行動を
受け入れて 自分の行動を調整できない弱さからではないかと考えられる。
仮説
仮説1、支援の方法としては聴覚支援より視覚支援の方が有効であろう。
仮説2、具体的で有意味な刺激の方が有効であろう。
仮説3、分析するより、統合していくのが得意であろう。
仮説4、具体的なものを操作させ、試行錯誤する学習は得意であろう。
* 事例で挙げたX児は、現実に存在しません。
このような傾向をもった子どもが多いですが、
検査数値も検査時の様子も管理人が想像したものです。
PVTは PBTは |