WISC−V
この検査では、
評価点のばらつき
言語性と動作性IQの差
群指数のばらつき
プロフィール分析表 を見て、
学習能力の強い、弱いを見つけることがことができます。
この検査は、6つの言語性下位検査と7つの動作性下位検査で構成されています。
言語性下位検査では[算数]のはじめの数問以外は、ことばで質問し、ことばで答えること、
動作性下位検査では、実物や絵、図が提示され、操作することが求められます。
正解した数が粗点になります。
粗点と生活年齢から各検査の評価点をだします。
○13の検査の評価点のばらつきを見ます。
各下位検査評価点のばらつきから強い学習能力、弱い学習能力を見つけることが
できます。
たとえば[類似]なら、「論理的な思考」が強いのか、弱いのか見ることができます。
[類似]の評価点がほかの検査よりもとびぬけていれば、「論理的思考」が強いと
考えられます。
反対にほかの検査よりも落ち込んでいれば、「論理的思考」が弱いと考えられ
ます。
評価点を合計し、言語性IQ、動作性IQに換算します。
○言語性IQと動作性IQに差がないかを見ます。
言語性IQと動作性IQから言語性能力が強いのか動作性能力が強いのか見ること
ができます。
たとえば言語性IQよりも動作性IQが高い場合、次のようなことが考えられます。
「聴覚刺激だけだと理解しにくいが、視覚刺激をいっしょに提示すると理解しやすい。
聴覚刺激よりも視覚刺激のほうが理解しやすい。
聴覚刺激は理解しにくいが、視覚刺激は理解しやすい。」
「そこで、言語理解を補助するために、具体物をつかい、操作させながらの学習が
有効である。」と考えられます。
下位検査を4つに分けて、評価点を合計し、群指数に換算します。
○言語理解、知覚統合、注意記憶、処理速度の群指数のばらつきを見ます。
処理速度の指数がほかの三つの指数より高い場合、次のようなことが考えられます。
「学習内容を理解できるまで時間がかかる。
しかし、機械的学習が得意で、くり返し課題に取り組むことで、学習内容を理解し
習得している。」
「継続して、学習課題に取り組めるように、スモールステップで課題を提示していくこと
や理解力、記憶力を高めるために、1時間の課題をノートに書き、自分の考えをまとめ
ていく学習が有効である。」
と考えられます。
言語性下位検査の評価点の平均を出します。
下位検査の評価点と平均点との差から、プロフィール分析表にS+±−Wの記号を書
いていきます。
その記号の集まりによって、15の能力の強い、弱いを見ることができます。
動作性下位検査では、25の能力の強い、弱いを見ることができます。
○プロフィール分析表から強い能力、弱い能力を見ます。
より細かい学習能力を見ることができます。
これらの作業から、強い学習能力、弱い学習能力を見つけることができます。
「本当に強いのか?それとも弱いのか?」を判定していきます。
指導時の様子、
学習時の様子、
行動の様子、
検査時の様子をふり返りながら
強い能力といえるか、判定をしていきます。
これらを総合して、個別指導計画を立てます。
どのように学習することで課題を達成できるか、仮説を立て、指導計画を立てていきま
す。
WISC−Vから