折り畳み式のナイフです。
過度な傷みはなく、ご使用によって、切れ味が落ちた状態でした。
全体的に回っている、薄いサビの具合からステンレス製でなく、全鋼のものだと判断出来ます。

切刃(傾斜の部分)がえぐれるような形をしているので、強度の面も踏まえて、磨きを掛けた後、刃先のみ研ぎ出しました。
磨きを掛けると、光り方や写り方が変わるので、不思議です。

狩猟に用いられるナイフで、皮を剥ぎやすくする為に、弧を描いた形状をしています。
研ぎによって、刃先が歪んで丸まり、厚みが出ているのですが、刃元の部分は薄くなっています。
砥石が刃先ではない部分まで当たり、色味が異なっています。

形を整えてから、厚みのある部分を研ぎ出して、出来るだけ刃を均等な厚みに直しました。
問題の点が修正されているので、再び、刃物としての機能が戻っています。
磨きを掛けましたが、
刃ではない部分の深い傷は、残っています。(右下の写真)

丸みを帯び過ぎて、鉄の棒のような状態です。
ステンレス製なのも加えて、場所的に研ぎ難い、切っ先付近の方が尖っていました。
こちらは少々、どのように研ぎ出せば良いか、悩まされるものでした。

新しくしのぎ筋(傾斜の境目)を作り出してから、磨きを掛けて、刃付けを行いました。
研ぎ出す分量が多く、形も整えなければならないので、金属の塊を新しく加工している感覚でした。
右下の写真の斑模様は、室内の天井が写り込んだものです。

酷い傷みはなく、切れ味が落ちてきた為に、当店までお持ち下さいました。
使用によっての汚れや、刃先がわずかにこぼれています。

研いでみると、軽く刃が丸みを帯びていました。
鋭い切れ味をご希望でしたので、出来るだけ平面に戻してから、刃先を付けて仕上げました。
全体的に磨きを掛けたのですが、研ぐ前と同じ条件で撮ると、右の写真のようになりました。
色が黒っぽくなっておりますが、鏡のようになっています。

ステンレス製のナイフで、研ぎにより刃先が極端に丸まっています。
扱われている鋼材の質にもよりますが、ステンレスは特性として、非常に研ぎ出し難く、ここまでの状態になると、容易に刃を付け難くなります。

丸みを取り除いて刃を付ける、という研ぎも出来たのですが、お客様とご相談させて頂き、強度よりも切れ味を重視した研ぎを行うことにしました。
研ぎ出す前の状態からだと、研ぎというよりも、ナイフを新しく作り直す、という作業でした。

切っ先にわずかなカケがありました。
それと、研いだ形跡がほんの少しあります。
強度が必要なようで、切刃(傾斜の部分)を『ハマグリ刃にして下さい』とのご依頼でした。

見た目だけではわからなくて、カケを直している途中で気付いたのですが、製品として作られている時点で、内側がえぐれるような形になっていました。
強度をご希望でしたので、カケた部分を取り除いてから、切刃の部分を減らさないように、注意を払いながら仕上げました。

研ぎ出される前の状態のナイフです。
ご依頼としては、『切れ味を良くしたいので、薄く研ぎ出して下さい』とのことでした。
修復の範疇を超えている場合、厚みや素材によっては、金額が変わりますので、ご承知下さい。

一定の幅(半分ぐらい)を平面になるように研ぎ出して、磨きを掛けた後、刃先を付けました。
今回は、しのぎ筋(傾斜の境目)をなだらかにするように、仕上げてあります。
切れ味重視になっていますので、強度の面では劣っていますが、ある程度の扱いは出来ます。

こちらは新品のもので、刃付けをご希望でした。
焚火などで薪を割る為に、ご使用されるとこのことで、ハマグリ刃で強度を保ちつつ、切れ味も良くしてほしい、とのことでした。
それと、わずかですがカケていたので、それを取り除くことにしました。

形状を出来るだけ変えないように、研ぎ上げようとしましたが、両方の刃の厚みが違っていた為、片方の刃に合わせるように仕上げました。
カケを落として整えた後、改めて刃付けを行いましたので、以前よりも切れ味が鋭くなっています。
ただ、厚みがあるナイフですので、薪割りなどには向いていますが、調理には不向きだと思います。