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刃がカケている場合や、刃先が凹んで形が変わっているときなどは、天然砥石の大村砥などや、人造砥石の荒砥を使います。
そうでなければ、少し時間は掛かりますが、中砥から初めても大丈夫です。
荒砥の段階で重要なのが、ここで基本となる形を作り出すことです。
中砥の段階で修正しようとすると、荒砥以上に時間が掛かりますし、研ぎ慣れておられない方は、どこを研いでいるのか、どのように研げば良いのか、判断が付かなくなると思います。
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形が整えば、中砥に変えて研いでいきます。
ここでは荒砥で付いた傷をなくしていく作業と、荒砥で作った形状の微調整になります。
また、研ぐときの手の形ですが、書籍などには親指で押さえるのが、基本だと書かれていたりします。
安定させることが要になりますので、きちんと固定さえ出来ていれば問題はありません。
個人的にですが、親指よりも人差し指の方が、刃や砥石の微細な感触を捉えやすいので、人差し指で押さえるようにしています。
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研ぎ方ですが、全ての砥石に共通します。
まず、包丁の刃元部分の切刃(傾斜の部分)を、砥石にぴったりと合わせます。(きちんと研げれば、切っ先からでも構いません)
しのぎ筋(傾斜の境目)か刃先、切刃の真ん中辺り、どの場所を研ぎたいのかを意識しながら、振り子のような動きにならないように注意して、包丁を前後させます。
振り込のような動きで研ぐこともありますが、これは丸みを帯びさせる研ぎ方になりますので、上手く調節が出来ないと、切れ味の悪い仕上がりになってしまいます。
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力の掛け方で、研磨される量が変わってきますので、どの部分をどの程度、研ぐのかを考えながら、調節して包丁を動かします。
要になるのは、包丁のどの部分が当たって研磨されているのかを把握することです。
それを知れなけば、闇雲に研いでしまい、形が崩れてしまったり、刃先を研ぎ過ぎてしまうことにより、歪んでしまったりします。
一部分が研げると、次の箇所に移り、同じように繰り返して、刃の先端、切っ先まで向かっていきます。
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研ぎ上がれば砥石の粒度を変えていき、形状が変わらないように同じような感覚で研いで、仕上砥まで進めていきます。
研ぎ出す過程の話になりますが、砥石の状態も重要です。
平面が崩れてしまうと、きちんと研げませんので、研ぎながら砥石の凹み具合を確認して、状態が悪くなれば、砥石の表面を直して平面に戻します。
刃物や用度によって、凹んだ砥石や、丸みを帯びさせた砥石を用いたりしますが、基本は平面の砥石を扱って研ぎ出すことです。
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荒砥から始めて、中砥を経由して、仕上砥まで研ぎ出した後は、仕上げの作業になります。
小刃を付ける為に、刃先を少し起こして研いで、それを切っ先まで続けていきます。(小刃を付けずに仕上げると、その分、切れ味は鋭くなりますが、カケやすくなります)
肝心なのは、砥石と水平になるように動かすのと、過度に力を込め過ぎないことです。
仕上げる過程で刃先は薄くなっていますので、軽く研ぎ出すだけでカエリが出ますし、強く研ぎ過ぎると、刃を傷めたりカケたりすることもあるからです。
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裏側の刃を指先で触ると、引っ掛かりを感じることが出来ます。
カエリが出た証拠ですので、今度は裏側の刃を研いで、カエリを落としていきます。
両刃の場合は、反対側の刃に変えて、同じように研いでいきます。
ちなみに片刃の場合、重要なのが、裏側の刃を研ぐときは、砥石を必ず平面にしておくことです。
凹んだ砥石だと、裏側が捲れてしまって、本来の性能を発揮出来なくなるからです。
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全てのカエリが落ちたら、完成です。
簡易式は別として、刃先ばかり研いでしまっていると、次第に鈍角になっていき、切れ味が落ちていきます。
また、丸みを帯び差せてハマグリ刃は、強度や食材が離れていくという利点がありますが、丸くなり過ぎると厚みが出てしまい、抵抗が掛かる為、切れ味が悪くなります。
時間は掛かるかも知れませんが、研ぎ始めから丁寧に仕上げていくと、いつも同じ状態で使って頂くことが出来ますので、お試しになってみて下さい。
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