
庭の声
平成19年1月の花遊び
☆ 庭の声(パート11)
・・・・・・食べないで・・・・・・!
十両から始まって千両、万両、桃の蕾、咲き始めたロウバイ
飾りにつけたナンキンハゼ、マユミ、クリスマスホーリー、ツルウメモドキ、
揚げ句の果てにはクレマチスの固くて小さい新芽まで、
み〜んな、食べちゃったのね。
あなた達も生きる為に大変なんだろうけど
・・・・・食べないで・・・・・
ほら、あそこのお家にピラカンサスが、
こちらにはナンテンがたくさん実をつけて・・・・
あれ食べておいでよ、おいしいよ・・・・
千両なんて今年やっと実をつけたんよ
もう少し楽しませて欲しかったなぁ
食べちゃったものはしょうがないけど飛び立つ時
頭の上に「フン」落とさないで!!
平成18年9月の花遊び
☆ 庭の声(パート10)
私、八重の山吹です
春には2輪しか咲かなくて申し訳ないので
今、3輪花をつけています
近所の花友の庭でもチラホラ咲いて
世間で言うところの狂い咲き?
そういえばフラワーセンターの桜もチラホラ咲いていました
姫ギボシも例年7月頃咲くのに
9月中旬からやっと蕾を付けて咲き出しました
だけど、「今年は彼岸花ちょっと遅いかな〜」と思っていたら
お彼岸にはちゃんと咲き揃って
秋ですよ・・・・・と主張していますもんね
温暖化のせいなの?例年通りなの?
でも私、山吹の枝はもう切らないでね
春には頑張って5輪は・・・・・咲くからね!!
平成18年7月の花遊び
☆ 庭の声(パート9)
ねえお水ちょうだい〜
雨、雨、雨で水やりさぼり癖のついた庭主さん
毎日毎日飛び歩いてないでさぁ
梅雨明けみたいだよ、こんなにギンギンの天気なんだから
お水いっぱいちょうだい!
フラワーセンターの所長曰く
“梅雨が明けたって、誰が閉めてん!”
天の神様に決まってんじゃん、梅雨に限らず色んな戸を
開けたり閉めたりしてんだよキット
もうひとつ所長の注意があったろう
“水やりは鉢底から出る水が冷たくなるまでやるんだョ”
水道代ケチらずに鉢の中を冷やしてあげないと
ノボセちゃうんだからね
だ・か・ら・そんなの書いてないで
お水、はやくちょうだい!!
平成18年5月の花遊び
☆ 庭の声(パート8)
えー私、藤ばあさんです
かれこれ40年生きていますかなあ
私通信販売で買うてもろて、この子の所へ来た時は
17歳の今で言うピチピチギャル、えーこれも古いか
まあ、とみかく花のこと何にも知らへん女の子やった
19歳で大阪へ行ってしもたんで、その後はお母ちゃんが10年
お母ちゃんが亡くなって後はお父ちゃんが24年
大事に育ててくれたんですわ
そのお父ちゃんも4年前に亡くなって、この子のいる奈良へ来たんやけど
奈良は寒い!よう冷えますわ
この冬の寒さがこたえて今年は花をつける元気がなかったんですわ
太い枝も枯れてしもうて
そやけどなあ嬉しいことに孫枝が出来てねえ
来年はこのこに、花を咲かしてもらいましょうか
平成17年11月の花遊び
☆ 庭の声(パート7)
今年は色付くのが遅いねーといわれていた私たちもようやくお化粧始めました
草紅葉の紅チガヤ・カリヤス・コブナグサ
白樺は一夜にして黄金色に染まり、隣のトウカエデは上の方のみ赤く下は緑のまま
足元のニシキギは深い赤から鮮紅色までもう一息
西洋ヒイラギの実も赤味を帯びてきました
椿や山茶花の葉があるから紅葉も映える
落葉するから陽が入る、どうです、私たち結構楽しんでもらっているでしょう?
そろそろバトンタッチ
淋しくなった庭にパンジーとビオラが仲間入り
葉牡丹も苔で装って参加しました。
さあ、春まで私たちに お・ま・か・せ!
平成17年9月の花遊び
☆ 庭の声(パート6)
苔玉の素
昨今ブームになっている苔玉
どこででも見かけるようになりました
この苔玉のルーツは盆栽界にあるようです
★ 根鉢=鉢や土から取り出した株の根とその周りについている土の事、根がしっかりと土を抱き
込み土が落ちない状態のこと
★ 根洗い=鉢を用いず用土が露出した状態に仕立てる一手法、本来は鉢の中で根が十分に回り鉢
から出しても育てられる状態のもの
★ 持ち込み=剪定や植え替えで樹形を整え維持しながら鉢で育て続ける事
この根鉢に自然と苔が生えて来たものを平らな皿などに飾る根洗いという方法を「鉢に根が回るま
で待てないわ!」とばかりに植物の根を土と苔で包み込んだ仕立て方を苔玉と呼んでいるそうです。
考え付いた人は気短だったんでしょうか?
でもエライ!なんたって楽しい!
ひとつ作るともうひとつ、次々と作りたくなる苔玉
持ち込むと小さく育って可愛い、でも、苔を緑に保つのってムツカシ〜イですね
平成17年7月の花遊び
☆ 庭の声(パート5)
私バッタの赤ちゃん、仲間もいっぱい生まれて大にぎわい。でも、天敵のトカゲさんもいっぱい、
もう少しするとカマキリさんも登場、うかうかしていられません。
今のお気に入りはアップルミントの新芽、おいしいです!
薬が使われていないので安心して頂いています。ごちそうさま!
でも、この庭のあるじ殿は私たちを捕まえてはせっせっと用水に流すのです。
まぁ踏み潰されるよりはましなのですけどね、
小さいから泳ぐのが大変・・・本当疲れます。
秋までいっぱい食べて大きくなって子孫残さなくちゃ、
生き残るためです・・・どれがおいしかなぁ・・・・では、いただきます。
平成17年5月の花遊び
☆ 庭の声
苔のひとりごと(パートW)
さわやかな風が吹きぬける5月、私「コケ」もこの季節が大好きです。春は私たち苔が最も成長
する時期です。そこで、今日は私たちの増やし方について話します。
★ 一番手軽なのは「移植法」
@ 苔より大きめの穴を掘り苔の塊を入れる(2〜5p間隔に植え付けます)
A 苔の周りを押えて密着させる
B 苔が半分隠れるくらい目土をかける
C 水遣りをして土を落ち着かせる
★ 少し時間は掛かりますが丈夫なのは「まき苔法」
@ 生苔の場合手でほぐし一本ずつバラバラにする
乾燥苔(陰干しし緑色が残っているもの)は軽くもんでバラバラにし水に浸す
A 土をよく耕し重ならない様全面にまく
B 苔が見え隠れするくらい目土をかける
C 手や足で踏み固め水遣りをする
D キッチンペーパーや寒冷紗をかけておく
どちらもこまめに水遣りをして下さいね。
「まき苔」の場合3〜4ヶ月で一面に生え揃います。「苔の種は苔」なんです是非試して見てく
ださい。
★ 私は脇役としてきっとお役に立ちますよ、苔をはってみると景色が違います。苔って
エライ!と感じて頂ければ私は本望です。
★ そこで、盆景を造って見ませんか
鉢に植物を植えた時、化粧砂を敷いても何か淋しい、そこで苔をひとつまみ添えて
みると・・・おっ・・いいね・・・それなら石も置いてみましょう・・・小さな草
も入れてみて・・飛び石で庭風に・・道を作って林のように・・池があれば面白い
かも・・・山も・・・何処までも広がります・・・・ひとつの鉢に貴方の故郷を、
あるいは、旅先で心に残ったあの場所を再現してみて下さい。
私「コケ」は欠かせない脇役としてきっとお役に立ちます。苔を張ってみると景色
が違います。
★ 最後に「コケ」からのお願い
野や山で苔を採取した後の、ポコポコと穴が開いているのは淋しいものが有ります。
そんな時は「まき苔」で再生をお願いします。では、ごきげんよ
平成17年4月の花遊び
☆ 庭の声
苔のひとりごと〈パートV〉
皆さんお変わりありませんか、すっかり春ですね。
今日は、私「コケ」の上手な育て方についてお話します。私たちはすごく小さくて風が吹いたらヨ
ロヨロ、水が切れてはグッタリ、だから一人(一本)では生きていけないのです。皆で肩寄せ合っ
て、風が吹いたら支え合い、水分が蒸発しない様にスクラム組んで助け合っています。人間の皆さ
んも見習ってくださいね。こんな私たちが元気に育つ為に、次の3つの事に気を付けてください。
@ 真夏の日中に水遣りをしない〈苔は腐りにくく寒さに強いが蒸れに弱い〉
A 過湿と乾燥を繰り返さない(対応出来なくなり枯れやすい)
B 直射日光に長時間当てない
これを守れば私たち「コケ」はスクスクと瑞々しい緑を保って元気に生きていけます。ヨロシクネ。
次回は苔の増やし方です。
平成17年3月の花遊び
☆ 庭の声
苔のひとりごと(パートU)
は〜い お元気ですか?
私、「コケ」も暖かい日差しと適当に降る雨のおかげで元気ハツラツです。今日は私たちの育ち方
についてお話します。苔には根が無いって知っていました、茎、葉を支えて固定するための「仮根」
は有るのですが、草木のように長い根はないのです。だから、根から水を吸って生きているわけで
はなく、ハイゴケのハイちゃん、スナゴケのスナちゃん、シノブゴケのシノブちゃん、ギンゴケの
ギンちゃん、コスギゴケのコスギさんもみんな葉や茎についた朝露や空気中の水分を直接吸収して
いるのです。
私たちの一日のサイクル
朝露や空気中の水分を吸って茎葉を開く
弱い朝陽を浴びて光合成を行う
気温の上がる日中は葉をしおれさせて光合成を休む
しおれた苔は枯れているのではなく休眠しているのですが、茶色くなって水を掛けても葉が膨らん
でこない苔は枯れているかな・・? 見てみないと分かりませんね。それから、移植された苔は定
着するのに時間が掛かるので水分を切らさず気長に見守って下さいね。次回は育て方です・・失敗
しない育て方です・・私「コケ」にはとっても大切な事です。
平成17年1月の花遊び
☆ 庭の声(パート1)
苔のひとりごと
始めまして、私「コケ」です。「ヒロシ」じゃありません「こけ」です。私たち暗くてジメッとし
た印象を持たれがちですが、割とお日さま好きなんですよ。一番いいのは木漏れ日の当たる水分の
多い所!ここでお昼寝するととっても気持ちいいんです。ではここで主な仲間を紹介します。
ж ハイゴケのハイちゃん
長く広く伸びてシダの葉みたいな形、苔玉に最適です
ж スナゴケのスナちゃん
1〜2pで上に伸びるスマートなコケで、盆景等に向きます
ж シノブゴケのシノブちゃん
ハイちゃんより細い葉がシノブという植物に似ていて、これも広がって育ちます
ж ギンゴケのギンちゃん
道端や石垣等で一番多く目にする乾燥に強いコケで上に伸びます
ж コスギゴケのコスギさん
コスギさんはちょっと気むずかし屋さん、スナちゃんより大きい葉が杉に似ている
のでついた名前?コスギさんより大きいオオスギさんもいます
他にホソバオキナゴケ(園芸店では山苔として売っている白髪ゴケともいう)コツボゴケ、ヒノキ
ゴケ、そして、5〜10cmの大型コウヤノマンネングサ等々、日本には約1,700もの仲間が
います。
次回は私たちの「育ち方」についてです。お楽しみに!!